
1984, the bitter sweet symphony
人生の甘さも苦さもともに寄り添う一本
”人生の中で30年以上もの間だと、苦いことも甘いこともあっただろう”
『1984, the bitter sweet symphony』は、イギリスのロックバンドであるThe Verveの名曲「Bitter Sweet Symphony」からその名をとったお酒です。
1984年に仕込まれ、30年以上もの長い年月を過ごしたお酒は、優しく寄り添うような味わいが特徴です。
■30年の月日が成せる偉業
この1984年仕込みの「ヴィンテージ」日本酒は、2016年のクラウドファンディングによって「ワインやウイスキーのようにヴィンテージで楽しむ日本酒」をコンセプトとして生まれました。
古来から日本人は「初カツオ」や「初ナス」など、”初物”をありがたがってきました。
同様に日本酒においても「新酒」「しぼりたて」など「初めて」「新しい」ものがよいものだという印象をお持ちの方も多いでしょう。
ワインやウイスキーではヴィンテージという概念は定着していますが、実は日本酒にも「ヴィンテージ」が存在します。
『1984, the bitter sweet symphony』は貴醸酒をベースに熟成されました。貴醸酒の中には酸味が強いものもあり、苦手に感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
けれども30年という月日は、甘さをほんの少しの苦味を加えて深い味わいに変え、酸味を角が取れて丸みのある、優しい余韻に変えたのです。
■豊かな余韻を味わいたいあなたに
口に含むと軽やかな酸味が駆け巡ったと思えば、心地よさすら感じさせる苦味が舌を刺激し、最後に甘さがふんわりと余韻を残す。その味わいはまさに個性豊かなオーケストラによる交響曲のよう。
記念日や節目となる日。あるいは思い出すだけで頬が緩んでしまいそうな甘いひととき。
はたまた目を背けたくなるような失敗を思い出した時、ほろ苦い思い出が胸をよぎったとき。
人生について思いを馳せるようなときに飲んでみればきっと、このお酒はあなたの人生にもそっと寄り添ってくれるかもしれません。
■先進的な酒蔵が日本酒の地平を切り開く
このお酒は徳島の三芳菊酒造で造られました。三芳菊酒造は「キューティハニー甘口純米吟醸」「白鳥のジュン純米吟醸にごり」などアニメとコラボした銘柄を打ち出すなど、日本酒の地平を切り開く意欲的な酒蔵として知られています。
三芳菊酒造のお酒は、仕込水となる湧水は超軟水、酵母は地元・徳島県酵母を使用しており、甘みと酸味の強さが特徴です。
これが熟成されることで貴醸酒の特徴である甘みよりは香ばしさが引き立ち、洋酒のような味わいになりますが、これに本来の個性である酸の強さが更に強調されることで唯一無二の風味に仕上がりました。
■知らなかった日本酒の一面がある
その濃厚な風味から、食後酒として味わうことが多いかもしれませんが、アイスクリームにかけてデザート的に味わうのも、日本酒の新たな一面を知ることができます。
また、苦めのチョコレートと合わせれば、より一層このお酒の酸味と甘味が引き立てられ、洋酒のような「ヴィンテージ感」を楽しめます。
ロックやソーダ割なら、軽快な飲み口になって濃厚なソースのお料理の風味を引きたてることも可能です。
飲み方次第で個性豊かな風味と裏腹に、シーンを選ばず合わせられるのがこのお酒の魅力だといえるでしょう。
■時が生み出した
30年の熟成が生み出した甘さと酸味、そしてほのかな苦味を併せ持った『1984, the bitter sweet symphony』は、酸いも甘いも噛み分けた大人にぜひ味わっていただきたい1本です。
甘み・酸味・そして苦味。言葉にすれば単純かもしれませんが、ひとくち含めば力強い風味ながら、上品さも併せ持った味わいには感動を覚えるでしょう。