トピックスでは、お酒のセレクトショップ未来日本酒店で取り扱っているお酒の作り手の方々へのインタビューを通して、お酒の味だけでなくその背後にあるストーリーと想いも皆さまにお届けいたします。
前回に引き続き、石川県の数馬酒造より、数馬様にお話をお伺いしました。
第二回の今回は、能登の蔵について、杜氏制廃止という大きな変革についてお話ししていただきます。
蔵同士のコミュニケーション
-引き継がれた時の石高と、今は変わりがあるんですか?
ありますね。継いだ時はだいたい450石くらいだったと思うんですけど、今が850くらいで来年900くらいですね
-本当に倍増ですね。
くらいだと思います。ざっくりですけど。
-すごいですね。
いやいや、石数を追求している系では無いので全然。そこはなんとも思ってないです。
-能登の蔵の杜氏集団はとても結びつきが強いという見方がありますが、蔵元の方は一緒に行動することが多いのですか? それともたまにという感じでしょうか?
継いですぐはあまり一緒に行動するとかコミュニケーションとかなかったですよ。一緒に飲みましょうよってくらいで。社長さんやその息子さんとか娘さんとかと一緒に飲むようになったら色んな話をするようになって、一緒に仕事をするようになって。
今はすごくコミュニケーション取れて、仲良くやってると思ってます。
-なるほど。そういう場合はどのあたりで集まるのですか?
輪島ですね。
-輪島がちょうどいい距離なんですね
ちょうどいいですね。飲食店さんも結構ありますし、みんなが行きやすい場所ですし
-一番遠いというと珠洲になるのでしょうか
輪島からだったら、そんな遠くは無いですかね。輪島は中間地点としてって言う感じで
-ではそこで色々とお話をして。
はい、情報共有したり質問したり、困ったこととか聞きあったりしながらやってますね
日本酒業界の土俵から抜け出したい
-日本のいろんな蔵を見渡して、ロールモデルとして見ている蔵や人はいますか? それとも、あまりいないのでしょうか?
あんまり、意識してないですね。ただ会社ごとに「この会社のこういうところはいい」というのはあります。
たとえば新卒採用されてやってらっしゃる酒蔵さんとか、作りに関しては科学的な視点から追求されている酒蔵さんとか、ブランディングに関してはどこどことか。でも自分のところがそうなりたいかって言うのとかはないですね。
日本酒の業界と同じ土俵で勝負するところから抜け出したいし、勝負しないっていうやり方をとりたいので。他の酒蔵さんはいいところを参考するってくらいの感じですかね。
-色々な方とお話していると、ワインを意識されているという方が多いのですが、数馬様はいかがですか?
あまりがっつり意識はしてないです。もちろん調べたりとか、影響はされたりすることはありますけど、意識してそれに合わせて何かを変えるとかっていうのはあまりないですね。
杜氏制の廃止「当たり前と思っていることほど感謝」
-今年、杜氏制を廃止し、社員制にした一番のきっかけというのは、どういうところだったのでしょうか?
一番大きなきっかけは、二年前にずっと長く杜氏をやってくださっていた方が、他の蔵に移られたことですね。
自分にとってはやっぱり、杜氏さんがずっといらっしゃって一緒にやっていくもんやろやみたいな頭があったんですよ。何も分かっていなかったので勝手なイメージですけど。でも杜氏さんも技術集団の方なので、他の蔵で技術磨きたいとかいろんなことがあるので、それは当たり前のことではなかったんですよね。
当たり前って思っていることほど感謝しないといけないなってとその時思い知らされまして。それに、杜氏さんってポジションが一人変わるだけで蔵の評判が変わることも知っていたので、これはあまりいいもんじゃないなっていうのは、薄々思っていたんですよね。
他の酒蔵さん見てても全国的にも杜氏制を廃止しているところは多いですし、いろんな蔵元さんのお話とかも参考にさせていただきながら、社内で話した結果、やっぱ自分たちでやってみましょうっていうことになってそういう方向に舵を切ったと。
-お話を聞く限りだと、結果としてはとてもいい方向に変わったようですね。
そうですね。いい方向にいっていると思っています。
-なるほど、ありがとうございます。
次回は、学生たちと合同で行ったプロジェクト「N-project」について伺います。